20200427 コロナ対応 分析と対応策 教育関係

 
1、分析 ※1
○教育の目的は何か?
誰もが幸せな人生をおくれるように、感性・知恵・態度を養うこと
 
○学校の機能とは何か?
1)学習の保証
2)多様な人間関係の提供
1〜2は有機的に結合している。
 
○学習とは何か?
1)さまざまな経験をし
2)疑問を育て
3)答えを見つける
1〜3の営みのこと
 
○人間関係とは何か?
1)発信する。
2)受け取る。
を繰り返すこと
 
 
2、課題
学校が十分に機能することができないこと
 
3、解決策
 発信に関する部分はかなり活発になってきているので、解決の大きな方向性は
 
 「受信の場をデザインする。」
 
である。これにより「関係性」が担保できる。
 授業動画などの一方通行のコンテンツに執心すると、ここの部分が置いてけぼりになる。
 発信については作るよりも、ネットにある良コンテンツを探してまとめて提案すればよい。教科書を基軸に添えながら、適宜、良いオンラインコンテンツを提案するのが現実的かと思う。
 
 受信の場ができれば、児童・生徒とやりとりができる。
 現在可能なやり取りの中で学びのサポートをしていくことができることかと思う。
 教員は限られたやりとりの時間で、最大限の効果を出す関わり方(問いかけ、提案、声かけ)をすることが求められるようになる。
 また、「教師←→生徒」の関係が一定程度上手く行ったら、「生徒←→生徒」の関係へ応用できる。これにより、多くの人に学びが届くことになる。
 
 解決策の提案の際には、「撤退のシナリオ」が大切である。
 責任者は「失敗したときのコスト」を慎重に考えるのが仕事の1つと言える。
 「失敗したときのコスト」と「得られるメリット」を天秤にかけて、「現状維持」よりメリットが大きければ良いわけである。
 踏み出せない大きな原因は「未知の失敗をしたときのコスト」に対する予測不能性である。ここを乗り越えるのは「現状維持」のメリットとデメリットを説明することである。緩やかに悪化していることに人間は鈍感なので、現状維持をとった場合の「ありそうなデメリット」を提示することで気づいてくれることが多い。
 
 
○児童・生徒からの反応の機会を提供する。
 出席番号を5で割って、その余りで1〜5班までを作り、月は1班、火は2班・・・のようにする。こうすると1日あたり7〜8人の対応で済む。副担も混ぜて対応すれば、そこまでの負担増にはならないと見込める。
 
1)オンラインでの解決
ア)メールでの交換日記
 学校に職員用アドレスがあればすぐにできる。
 ない場合は、フリーメールのアドレスを取得する。
 メールが打てない場合は、書いたものを写メでもできる。
 ・メリット
  生徒とのやりとりができるようになる。
 ・デメリット
  苦情の窓口になる。
  →教員がメールを確認する時間を制限し、急ぎの場合は電話・来校してもらうことを公言する。
 ・撤退
  「対応が難しくなったので取りやめます。」の宣言をし、メールはきても放置するか、アカウントを削除するかで閉鎖とする。
 
イ)掲示板の活用
 以下の流れで、需要によって設置数を増やしていく
  
 学校掲示
 →雑談板・質問板
 →雑談板(生徒)・雑談板(保護者)・質問板(学習)・質問版(その他)
 ・メリット
  文字のやり取りは比較的、多くの人が慣れている。
  書いた内容が蓄積記録として残る。
 ・デメリット
  匿名性ゆえ誹謗中傷などで荒らされる
  →「多くの人が目を通す」状態を維持する。掲示板を無闇に作らない。
  →問題が起きた時、これ自体を情報リテラシー教材として使える。
 ・撤退
  実際の掲示板を見てもらうことで、「無理でした」と説明し、閉鎖することができる。
 
ウ)zoomでの朝の会の実施
 管理職にzoomのリスク(https://kyouikuidea.hateblo.jp/entry/2020/04/24/225343)を説明し、以下の流れで導入していく。 
 zoom使える人が時間を決めて部屋解放
 →人数が多ければ、班編成を行なって予定調整
 →定期開催し、参加者が増えれば予定を組んで複数回開催。
 ・メリット
  生徒の顔が見える。
  指向性の高い会話はやりやすいので、質問部屋として機能しやすい。
 ・デメリット
  無指向性の会話はしづらいので、雑談するのに慣れが必要。
  セキュリティー上のリスク管理が必要
 ・撤退
  「対応が難しくなったので取りやめます。」の宣言で終了。
 
 
2)オフラインでの解決
ア)下駄箱を利用した紙媒体のやり取り
 1〜5班を分散登校させ、紙媒体でのやり取りを行う。
 例えば、1年9時 2年11時 3年13時とし、曜日で班を指定。
 ・メリット
  家庭のICT機材に影響されない。
  現状維持路線なので抵抗が少ない。
 ・デメリット
  感染リスクを完全に防げない。
   →登校は各ご家庭の判断とする。
  潜伏期間を考えると2週間に一回の登校が妥当となり、回数が少ない。
   →イ)電話対応も合わせて行う。
 
イ)電話対応
 各家庭に電話し、様子を確認する。1日8家庭もかければ1週間で1クラス回る。
 
注釈)オフラインでの解決においては、既定路線の案なので、メリット・デメリット・撤退シナリオは適宜省略した。
 
 
4、その他 情報共有
○通信関係に強い方に話を聞いた。要約すると
「オンライン授業が完全実施になった場合、回線がパンクして、動画とか動かないことが想定される。」
とのことだった。
 上記3の解決策は、このことも視野に入れたものにした。なので、zoomは使えなくなる可能性も視野に入れておいた方がいいかもしれない。
 この情報を元に考えると、いよいよオフライン授業をそのままオンラインへ移行というのは非現実的になってくる。
 
 
 
※1
 
○「教室型オールインワン授業」を再現しないことがオンライン化の鍵~学びの要素を適材適所で分割